選択過程

OUTBACKは非の打ち所のない車でした。性能も装備も運転も、何一つ不満のない理想のスキー・エクスプレスです。しかし、使い手に変化がありました。嗜好の変化でスキーに行かなくなった結果、週末のチョイ乗りオンリーで、全く遠乗りをしなくなりました。それでも、所有欲は十分満たされたのですが、如何せんその不条理が頭について離れなくなりました。維持費の負担は所有欲を上回るに至り、乗り替えを考えるようになりました。クーペに対する憧れや、偶々試乗した現行B4の好印象も捨てがたいものではありましたが、車は道具であり、道楽の対象とするには優先順位が低いと結論づけました。
車は趣味性の主張というのが信条なので、車種と同等に重視するのが色です。残念ながら、OUTBACKの色は消去法で決めました。スバル車にはかつてカシミヤ・イエロー、マスタード・マイカ、カッパー・オレンジといった魅力的で個性的な色の設定があったのですが、現在は無難な色しかありません。唯一個性の強いWRブルーは物足りません。憧れのBRZ にイエローの限定車がありましたが、上位グレードにしか設定がなく、色にそこまでの投資はできません。そんな時に見つけたのが、スバルのプレオ・プラスの特別仕様車、イエロー&ブラックの2トーンモデルでした。中途半端にコンパクトに乗るぐらいなら、経済性を優先して軽にした方が得策と判断したきっかけにもなったのですが、残念ながら、現在のスバルの軽にはスバルの哲学がありません。スバルの軽ならR1が好きなのですが、そこまで古い車に乗るほどの思い入れもありません。クーペへの思いを反映させようにも、現行モデルの軽で2ドアは4ナンバーにしかありません。2シーターではあまりに実用性が犠牲になってしまいます。現在主流のトール・ワゴンタイプには辟易しているので、プレオ・プラスで妥協して、スバルとのつきあいを継続することも考えましたが、そこまで趣味性を犠牲にするほど割り切れません。
ここに至って、俄に浮上したのが、好みのイエローの設定があるN-ONEでした。トール・ワゴンの中にあって、ボンネットが主張するデザインはぎりぎり許容できるし、モデル・チェンジが近いという噂もありましたが、次期モデルはもっとトール・ワゴンに近づく予測も散見され、現行モデルの選択がよさそうです。少し前にはライム・グリーンの設定があったのが悔やまれましたが、HONDAにライム・グリーンでもなかろうと(笑)。価格はやや高めですが、装備が軽と侮れないほど充実しており、最低限の所有欲は満たされそうです。こうして、N-ONEが最終候補になりました。軽に速さを求めても中途半端なだけで、下手に対抗心を煽るのは危険と判断(笑)、軽に過剰な装備は不要だし、グレードはNAの充実装備モデルであるFFのG・Lパッケージに決定するのに時間はかかりませんでした。色はプレミアム・イエローをあえて減らすこともないので単色にしました。

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