選択過程

まず断言できることは、BG5Cは必要十分であったこと。それが証拠に、乗り始めてから数多発表された新車群に心奪われることは皆無でした。もちろん知らない幸せというのもあって、乗り比べる機会がなかったことも一因ではありますが。
それでも長く乗っていると、当然と思っていたことが気になることもありました。メーターの照明が暗い、とか低扁平率のスタッドレスは高い(笑)、とか。しかし最も気がかりだったのは、重心が低いゆえ安定するはずと思った雪道で、何度かグリップを失ったことによる、スキーエクスプレスとしての安定感に対する不安。HILUX SURFではなかったことだけに意外でした。それでも外見だけは全く飽きなかったのは事実です。
4年落ちで買ったクルマなので、5〜6年経過時からなんとなく乗り換えは考えました。魅力的な新車がなかったのでもっぱら中古市場を検索しましたが、決断には至りませんでした。候補に上がったのは、HILUX SURF VZN185とかR33 GTS-4とか同世代ばかり(笑)。古いクルマはそれなりの思い入れがないと乗り続けるのが辛いのはNinjaで学習済みだから、これは踏みとどまりました。やっぱり、もっと設計の新しいクルマがいいなと。BG5Cは末期のモデルなので、基本設計は20年近く前のものです。現行CR-Vの発表会なんか見に行った時は、新しいクルマはよくできてるなと感心することしきりでした。
そうこうしているうちに9年経過、2本目のスタッドレスも元を取り、来年から自動車税が割り増しになる見込みで、乗り換え時期としては悪くないタイミングを迎えました。しかし、相変わらず新車に心引かれるモデルが見当たらず、新技術という点でクリーンディーゼルに興味があったエクストレイルには ATの設定がなく、トルク重視で大排気量の個性的なモデルを探し始めました。たいした距離は乗らないので、経済性は二の次です(爆)。だから補助金対象のエコカーなんて論外。目に留まったのはムラーノZ50。豪華装備の割に割安感があり、カッパーオレンジは個性的だし、低走行のタマを探し始めたのですが。
これとて基本設計は2002年、致命的なのは標準装備のDVDナビが換装不可であること。現有DVDナビに不満があるわけではないのですが、クルマは多少古くても、ナビオーディオは最新のiPod対応ぐらい後付けしたいもの、低価格化していることだし。革シート&シートヒーター、BOSEプレミアムオーディオ、サイドブラインドモニター等々、装備には文句はないのですが、逆にこれが選択基準になってしまったのも事実です。
この装備を基準にCX-7も検討しましたが、やはり琴線に触れない。そんなある日、近所で開催されたEyeSight試乗会に行ってみることにしました。レガシィシリーズのワイド化とそのデザインには正直なところ落胆さえしていましたが、この技術は面白そうだったので。結果的にこの体験が転換点となりました。
「ぶつからないクルマ」の技術の完成度の高さは、製品化したことが何よりの証拠。そしてこの技術に裏付けられた「全車速追従機能付オートクルーズ」に感動しました。昨シーズン、千円高速のあおりを受け、スキーの帰路で渋滞に苦しめられた記憶がよみがえり、これがあればかなり渋滞のストレスが軽減されるのではないかと。これでアウトバックが候補として急浮上。
そんな折り、エクストレイルのクリーンディーゼルにATモデルが追加設定されました。ところが、どうしても譲れない装備、シートヒーターの設定が、なぜかクリーンディーゼルにだけありません。高トルクで減税効果も高く一石二鳥と思ったのですが、これは見送らざるを得ない。で、改めてアウトバックを再検討すると。
2009年発表のモデルだけに最新設計を存分に実感できます。足りないのはサイドブラインドモニター程度ですが、この車高ならなくても没問題=問題なし。プッシュスイッチによる電動サイドブレーキがなんて先進的(笑)。あとは勇気だけ(爆)。
同じ金額を払って手に入る新車、2/3程度の中古等も検討しましたが、決め手は最新設計であるということで、勇気を奮って乗り換えることを決断するに至りました。

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