以下は入手当時パソ通に書いたものを加筆修正したものです。また、1996年11月頃当時の話なので、現在とは市場の製品状況が違うことをご了承ください。


 ある日突如として純正オーディオの音に不満を感じるようになりました。CDを聞くのにディスクマン+車キノコも煩わしい。同じ頃に友人のFM文字多重を見て、これは車に乗っている時は便利そうだと思いました。そこでまず「オーディオのグレードアップを兼ねたFM文字多重導入」を考えました。

 しかしオーディオ単体ではFM文字多重対応機器が少なく、オンダッシュに表示部を取り付けたくない。表示部が1、2行というのも見難そう。ここで気まぐれでウィンダムの発表会に行って、純正のAVナビを見て感動。それにどのみちローンを組まなければ買えそうもないので、同じ借金するならついでにナビも欲しい!、と考えが変わってきました。

 「突発性アレ欲しい症候群」が持病の私は、発症と同時にまずカタログを読みあさりました。が、よくわからない(難解)。で、パソ通ならナビ関連の部屋もあるはずと思い立ち、情報収集し始めました。で、ある程度条件が絞られてきました。

 こうして考えるとKENWOODは全ての条件を満たすという結果でありました。AVセンターだけKENWOODにする事も考えましたが、それではせっかくのタッチパネルが宝の持ち腐れになるのでボツ。

 改めて店頭で見てみるとアルパインや富士通は描画が早く、画面も嫌いではない。もう一つ、避けては通れない価格の問題があります。最初は橙や黄色の店を調べたのですが、値引率がかなり低い。この時点では取付も頼むつもりだったのでやむなしかと思っていました。しかしDPV900でシステムを組むと定価で40万を軽く越える(--;。これはちょっと予算オーバーかという気がして、一時はセット商品になっているアルパインorパナ+オンダッシュTVにしようかとも思いましたが、タッチパネルの操作性はやはり捨てがたい。それに見やすいと評判のオンダッシュTVはどうも好きになれない。インダッシュTVはマニュアルエアコンが使いづらい。アルパインはVICSアンテナが別体で別売CD-ROMも必要、パナは後々VICSフル対応にするとFMユニットが無駄になるし、車キノコも残さなければならない。どちらもFM文字多重対応にするとKENWOODとの価格差がさほどでなくなる。う〜む...。

 ここで、それまで情報不足だったTOYOTA純正についてディーラーで話を聞いてみると、結構安くしてくれそうな口調。FM文字多重未対応で、VICSはフル対応のユニットしかないのが欠点ですが、収まりの良さと価格で急浮上しました。でも、やはり当初の目的?のFM文字多重は捨てがたいし...。これがメーカーオプションのFM文字多重対応AVナビと同等のスペックならVICSにはわき目もふらずこれに決めたでしょう。ディーラーオプションがそこまで進化するのはいつのことやらわからないし...。

 と悩んでいるウチに、B-PLUSというショップの存在を知って、見積を頼むと納得いや驚愕のプライス。さらにソニーのFAX取付情報を見ると、なんか自分でも取り付けられそうな気がしてきました。もともと自分で取り付けてみたかったのと、荷室にカーゴライナーを敷いているため、荷室には機器を設置したくなかったので、「アレはどこに設置して、ココはこうして...」と取付依頼時に注文出してもその通りやって貰えるかどうかの不安もあったため、自分で取り付けることを決意。B-PLUS価格と比べると、橙や黄色の店で妥協して他モデルにしても格別安くあがるわけではない。TOYOTA純正との価格差もDSP分と思えば納得できる。最後の難関、支払は銀行でローンを組むつもりだったのですが、これもB-PLUSで快諾してもらえたので、将来性に希望を託してKENWOODに決定しました。

 土曜の昼前にNV900他一式が届きました。PIONEERの大きな箱に梱包されて。中身を点検して、取説、保証書類を全て取り出しました。こりゃあ一発午後から取り付けるか?、と思いましたが...取付方法を見て諦めました。配線が複雑で、ちょっとやそっとでは解読できそうにない。一週間研究して次の土曜に取り付けることにしました。

 取付機器の内訳は、

です。

 さて、取付に当たって1週間の研究期間があったわけですが、まず取付説明書を熟読します。最初は目が回りそうだったのですが、慣れてくると接続箇所が読めてきて、これはなんとかなりそうな気がしてきました。車速パルスはB-PLUSから取り出し図を入手済みです。リバース信号はリバースランプから取るのが一般的なようですが、我がSURFはリバースで警告音がなるので、シフトレバー辺りから取れそうな気がします。テスターで調べるのも面倒なので、ディーラーで配線図を見せてもらうことにしました。すると、そう簡単には行かず、メーター裏のハーネスから取らなければならないことが判明。しかし、オーディオも換えるのでどのみちインパネは外すし、リバースランプから取るよりは簡単そうなので、メーター裏から取ることにして、配線図のコピーをもらいました。

 そして土曜日、取付開始です。お約束のバッテリーのマイナス端子を外し、まず前の運転席を左右とも外し、インパネの取り外しにかかります。ソニーのFAX情報を用意していたのですが、これは手助けにはなれど完全ではなく、隠しビスに悩まされつつどうにかこうにか外しました。さらに純正オーディオも外します。ここまでで約2時間経過。

 ナビ一式を梱包から出し、床に配置。運転席下にDPV900のハイダウェイユニットとKNA-FW50、助手席下にNV900とGR900を置くことにします。さて配線ですが、接続する端子はすぐわかるのですが、なにしろケーブルが太くて長い。余った部分を束ねてもかなりかさばり、その置場所に困ります。カーペット下を通す技術も根性もないので、まるでライブハウスのステージ上の様相を呈してきました。

 最大の難関と思われた車速パルスとリバース信号の取り出しは、わりとあっさり終了。下調べのおかげですね。ここまでで更に1時間半経過。

 ほぼ全ての電源取り出し口には当然アースが必要です。これをコネクターを使って一本にまとめます。

 とりあえずDPV900の固定に取りかかります。接続ケーブルが多く、片手でDPV900を支えながら(これが重い!)接続していきます。配線がものすごい量で、インパネ裏が一杯になってDPV900が奥まで入りません。配線を強引に下の方に持っていき、どうにか固定できました。もう汗だくです。更に一時間半経過。

 ここで一旦バッテリーを接続して動作確認をします。音が出る、画面が出る、うぅ感動ぢゃあ(涙)。どうやら問題ないようです。再度マイナス端子をはずして作業再開。DPV900とNV900のパーキングセンサーもコネクターでまとめて、当然アースに落とします。そして、とりあえずインパネを元に戻すのですが、これまた簡単には行かず、順番を間違えたりネジを締め忘れたりしながらどうにか完了。それでもビスが1本余りましたが。更に一時間半経過。

 そろそろ日が暮れようとしていますが、実はこれが重大な問題を抱えていました。家の前で作業していたのですが、隣家のご主人は今日も自家用車で出勤、私のクルマがあるとこの人は家には帰れないのです。ましてや日が暮れると、とても作業灯では暗くて作業を続けることができない。とりあえずクルマを動かせる状態に戻さなければなりません。よって配線の整理と各機器の固定は翌日に持ち越し、とりあえず座席を仮止めして1日目終了。この時ちょうどお隣さんが帰ってきました。ぎりぎりセーフ。ここまででつごう約7時間半。いろいろな姿勢を強いられたせいか足腰ががくがくになりました。ここで初めてKNA-SP100を付け忘れていたことに気付きました(泣)。

 明けて二日目、まずTVアンテナを固定。KNA-SP100の取付と配線。ホームセンターに固定材料の買い出しに行ってC705srを固定します。2時間半経過。荷室にカーゴライナーを敷いているのでタイヤハウス上に設置しましたが、まだ見かけが美しくなかったので、後日C705srを梱包してあった発泡スチロールを利用して台を作り、取り付けし直しました。安っぽいですが、見た目は美しくなりました。

 シート下の機器の固定は後のことは省みず、両面テープを使用しました。さて、シートの固定ですが、やはりシートをスライドすると束ねたケーブルが干渉します。いろいろ配置替えしてなんとかクリアランスを確保しました。更に一時間半経過。

 マット類を現状復帰して、広げたお店を片付けて、やっと試乗できます(歓喜)。走り初めは道がないところを走ってましたが、すぐにぴったり補正されました。とりあえず諸設定をするため、近所のゴルフ練習場の駐車場へ。家の前で長時間のアイドリングは迷惑ですから。

 地図CD-ROMを入れると検索キーが表示されませんでしたが、バージョンアップCD-ROMを読ませるとこんどは表示されました。なお今のところリモコンを使用したのはこのバージョンアップ時だけです。タッチパネルはホント快適ですね。

 DPV900のステーションネームの入力はかな、アルファベット、漢字が可能ですが、FM、AM、TVを終える頃には左腕がだるくなりました。ワープロのようには行きません。TV画面はやはりガラス貼り付けアンテナでは知れたモノですが、最初からTVはほとんど使用する気はなかったので、これで十分。

 液晶画面を1段階だけリフトアップすると見やすいし、エアコン操作やカップホルダーの使用にも支障ありません。スピーカーは純正のままですが、なんか音も良くなった気がします。

 昼食時をかなりすぎていたので、ハンバーガーでも食べようと、最寄検索でルート設定して走り出しました。ところがラインミュートが効いてオーディオの音は小さくなるのですが、音声ガイドがありません。ハンバーガーどころではなくなって、家に戻りました。

 うんざりしながら工具を取り出して助手席を外そうとしましたが、シートスライドで確認でき、案の定接続プラグの差し込みの不完全が原因でした。

 今度は橙色の用品店に設定して走り出しました。今度はちゃんと喋ります。なんか感動しますね。環七の立体交差の下を右折する時も、ちゃんと「左、そのあとすぐ右」とガイドしてくれました。KENWOODの新しいカタログを貰って帰りました(苦笑)。

 そんなこんなで無事取付を終え、とても満足しています。難点は膨大なケーブルの束、L型プラグでケーブルの取り回しが限られること等。唯一の失敗は外したシートを運んでいて、ボディに引っかき傷を付けたこと(号泣)ぐらいです。2日がかりで延べ12時間、通して作業できたとしても、私の技量では10時間かかったと思います。しんどかったような面白かったような。体中筋肉痛です。

 操作法のマニュアルは簡単にまとめてある一方、わかりにくいと事もあり一長一短です。まぁ、これだけの多機能をわかりやすく解説する方法があるのかどうか疑問ですが。

 当初地図の描画は速いとは言えまず、地図回転も描画のし直しでしたが、これはその後のバージョンアップでかなり改善されました。FM多重の操作画面については全般に説明がわかりづらいです。

 走行中に「xxxメートル先を左折です、右にカーディーラーがあります」とガイドされても、トリップメーターでxxxメートルを測ってなんかいられません。カーディーラーとガイドされたのは中古車屋でした(カーディーラーには違いないけど)。かといって「次の信号を左折です」なんてガイドを現時点で期待するのは(たぶん)無理なんでしょう。で、曲がる交差点との位置関係が一番わかりやすいのが交差点拡大図になるわけですが、これは当然モニターを目視しなければなりません。なるほどオンダッシュモニターが一番視認性がいいという意味が納得できました。最近のトヨタの新車などは、インパネの上からエアコン吹出口、AVモニター、エアコンコントロールの配置ですが、我がSURFは吹出口、エアコン、オーディオの順です。DPV900の画面を少しでもリフトアップすると、かなり視認性が向上します。リフトアップしないでチルトアップできればなおいいのですが(インパネからの突起は若干不安なので)。

 前席下に機器を設置しましたが、前席を前にスライドすれば後ろ1/3ぐらいは露出状態になります。普段は前席をかなり下げているし、後席の足下はトレイマットに目隠しされていますが、後席に人が乗って足を伸ばすと蹴飛ばされるかと少々不安にでした。しかし、実際に座ってみると、幸か不幸かSURFの後席は尻の部分がかなり落ち込むので、足を伸ばすのが不自然な着座姿勢を強いられるため、これは大丈夫そうです。

 実はカタログの組合せ例を信じて注文したら、K-BUS延長ケーブルが余ってしまいました。そこでB-PLUS殿にお願いしたら、差額を追加してSuper関東に交換して貰えるこ とになりました。店頭まで出向いたところ、とても気持ちよく対応していただきました。「あの一式を自分で取り付けただけでも尊敬します」と褒められてしまいました(苦笑)。

 で、Super関東を起動。おー、自宅の建物の輪郭がでてる。タッチパネルで そのまま操作できるので、とても嬉しいです。この結果、リモコンは電池を外 してシートバックポケットに放り込まれる運命になりました。

 最初私はナビ否定派だったのですが、ぜ〜ったい!オモシロイです(^_^。私は都民なのに都心を走るのがハッキリ言って嫌いです。特に夜なんか交差点名もよく見えなくて神経使うじゃないですか。それでも地図だけでワリと迷わず目的地に着くのには自信があって、それ故ナビ否定派だったのですが、ナビがあればこわいもんなし、って感じで、楽に安心して走ることにナビは多大に貢献します。ですから地図派の方にも十分利用価値はあると思います。あと、VICSのリアルタイム情報も貴重です。今後サービスが充実していくのがとても楽しみです。

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