シールドケーブル

必需品にしてそこそこの投資でさまざまな音質を体感できるシールドケーブル。その沼は果てしなく深いが(笑)、自分なりに一区切りついたのでまとめてみた。音質表現に例えば「○域が豊か」とした場合、シールド自体に音をよくする機能はないので、「○域以外が減衰」と補記するのが正確だろうが、ここでは省略する。また、プラグで音質が変わるとも思えないので、プラグの影響については触れない。
いうまでもないが、全て主観による記述である。画像の上から

BELDEN 8412
メタルに向いていそうで導入した、低域が豊かと評判のシールド。評判通り出音が図太い。

Providence H101
崇拝するMichael Amottが愛用しているというので確保。BELDENという表記もあるが。中高域が強い出音。その割に印象は薄い。

George L's Vintage Red
ギターのおいしい中域が豊かだったか、色によって音質が違うとか同じとか、いろいろ情報が交錯するシールド。極端に細いが巻き癖が強く、取り回しはよくない。音質にこれといった印象はなく、むしろ半田不要のプラグ加工がメリットで、ペダルボードのパッチ・ケーブルにも採用。

Custom Audio Japan
全域に渡ってバランスがよいが、おとなしく感じる。普通の太さだがしなやかで取り回しはとてもいい。価格がやや高め。

MOGAMI 2524
全域に渡ってバランスよく、取り回しまでCAJに酷似。CAJより若干鮮明な印象。

Providence H207
中高域が強い出音。もとはパッチ・ケーブル用だったとかで細目だが、取り回しはよくない。純正プラグは小振りで使いやすい。価格が高い。

CANARE GS-6
中高域が鮮やか。C/P高く取り回しもよく、色が豊富なのが楽しいが、純正プラグはストレートのみ。

OYAIDE QAC-202G
全域に渡って鮮やか。派手でオーディオ的というか硬めの音質は好みが分かれそう。太めで硬く取り回しはかなり悪い。価格が高い。

Belden GOODNESS GUITARS / " B7 " 8422
Hoochiesで確保したヴィンテージ・ケーブル。

'70年代のベルデン8422を使用したと言うもの。真空パックには理由があって、開封と同時にヴィンテージの香りが漂う(笑)。音質はミッドレンジの押し出し感が強い、いかにもギター向きの音という雰囲気。
思い立って現代と比較してみたくなった。材料は1/10程度で手に入る。

下が現行品。なるほどミッドの鳴りの差は一耳瞭然。好みとしては全域にバランスのとれた3368やCAJが好みだが、これはこれであり。やや硬めで巻き癖が強いのが難。正露丸の如き芳香が部屋に充満して閉口。

自作シールドケーブル

MOGAMI 2524 & NEUTRIK silentPLUG
CANAREと双璧のMOGAMIにストレートプラグの手持ちがないので自作することに。プラグはNEUTRIKのサイレント・タイプを選択。内蔵スイッチによりギター側で抜き差ししてもプラグをショートさせても一切ノイズが発生しないという代物。やや高いのが難だが、せっかく原価なので。ちなみに自作と販売製品の価格差は500円程度というのが持論である。自作を楽しめないなら製品を買った方が無難。
部材の調達はいつもの TOMOCA PRO SHOP。素人質問にも親切に答えてくれる。今回も教えに従い、コールドをNEUTRIK特有のカシメではなくあえて半田付け。半田ごても教えに従い今回から40W。30Wの苦労は何だったのかという作業の容易さ。工程はサウンドハウスの動画に詳しい。現有チューナーのpitchblack PORTABLEにはケーブルチェッカー機能があり、作業環境は劇的に好転(笑)。

赤いプラグの差込部根元の銀色部分がスライドスイッチになっていて、ホントにノイズ皆無。これは凄い。

MOGAMI 3368
2524だけと思っていたギター用ケーブルに、3368のカスタム品があると知り、とりあえず素材を試してみることに。

これ、直径8mmもあって、プラグも選ぶ。NEUTRIKで商品化されていたので楽観してたら、力技でもシールドを通せるのは1cm程度。途方に暮れかけたが被膜を除くと通すことができることに気づいた。しかしプラグ内部のカシメはやはり使えないので、シールド側を一部カット。これでどうにか形にはなった。
で、その音が凄い。低音は太くて、高音も倍音豊かで、全域で音が厚くなる。今までと同じバランスで弾いても音が際立つ。本領を発揮するのはクリーンで、響きが明らかに違って、深みと奥行きが増す。難点は径故に加工にコツがいるのと、取り回しは悪い。ライヴには向かないだろうが家弾きやひとスタ(一人スタジオ(笑))には問題ないレベルかと。

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