MESA/BOOGIE STUDIO22

アンプで鳴らしてこそエレキ、の思いが強まった時、運良くネット通販で見つけた、MESA/BOOGIE STUDIO22。Plusではない、マイチェン前のモデル。それ故安いと知ったのは、発注後のことだが。MARKシリーズはちょっと手が出ないし、(悲しいかな)ライヴで使うとも思えないので、100Wは持て余す。大きさ的にもぎりぎり場所を確保できそうだし、憧れのチューブ・アンプ。現物を見ずに発注し、届いた現物は、古さこそ隠せないものの、幸いにも目立った傷も錆びもない美品だった。
オーバーホールしたものの、再び音が出なくなり、しばらくJVN210Hのキャビとして延命したが、HGT-II導入に伴い処分される。

Rhythm/Lead切替スイッチの製作

このモデルはRhythm(クリーン)とLead(ディストーション)の2ch構成だが、その切換はフット・スイッチで「のみ」可能で、スイッチを接続しないとRhythmに固定の仕様。コントロールは共通なので、切替だけで使い分けるのは不可能に近いが、それにしても自宅ではどうも煩わしい。MESA/BOOGIEのサイトで入手できた22Plusのユーザーズ・マニュアルPDFファイル(当然英語)によると、フット・スイッチがない場合、ケーブルを挿して末端をショートさせろとある。つまり、単純なON/OFFであろうと推測される。なら、Rhythm/Lead切替スイッチの自作も可能じゃないか、とプロジェクト発動。


まず、フット・スイッチの構造を確認。単純なON/OFFスイッチのようだ。LEDはオフで点灯。見た目の回路構成を、電子工学の師さいとうさんに確認したところ、どうやら解釈は間違いなさそう。


なるべくなら小型にして、ケーブルを介さない物がいいので、とりあえずハウジングの大きいL型プラグを調達した。¥70也。


まず、簡単にリード線で信号をバイパスしてLeadに切り替わるかを実験。

うまくいったので、このハウジングに収納可能なスイッチを物色。小さくまとめるならプッシュSWがいいのだが、どれも基部が大きかったのでトグルSWにした。¥130也。


SWを仕込むにはプラグのケーブル支持部が邪魔なので、力業で除去。


ハウジング内部に余裕がないので、配線は極力短く。


ハウジングに収めて完成。


STUDIO22にセットすると、こんな感じ。

簡単に切替ができるようになったが、トグルSW切替時に、プラグがジャックを中心に回転してしまうのが難。頻繁に切り替えるわけじゃないからいいんだけど、やっぱりプッシュSW仕様の方がよさそう。

基部の小さなロックタイプのプッシュスイッチを調達できたので換装。¥370也。

見た目も、使い心地もいい感じ。3PSWなので、動作表示LEDも仕込みたいところだけれど。ハウジング内に余裕がないのでそれは断念。

チューブ交換

注意!:チューブ交換は作業的に難しいものではないが、アンプはデリケートなのでバイアス調整が必要であり、単に交換するだけではかえって調子を悪くすることがある。また、チューブも様々で下記ソブテックは音質はいいが振動に弱いオーディオ向きのものでギターアンプには不向きである。私は経験上、今後のチューブ交換はプロに委ねる。自力での交換は推奨しないし、する場合はあくまで自己責任で。

Lead/Rhythm切り替えが楽になったのはいいけれど、やたらとLeadチャンネルでのノイズが耳に付く。付属のフット・スイッチでも同様なので、自作スイッチが原因ではなさそう。ユーザーズ・マニュアルによると、どうやらチューブが原因らしい。消耗品だからやむを得まい。
チューブというより真空管という方がしっくりくるのだが、電子部品を楽器屋で買うこともなかろうと、秋葉原で調達することにした。今時真空管なんて買うとは思ってもみなかったのだが、ちゃんと売ってたりする。ガード下のアムトランスでど素人が型番を告げると、親切な応対をしてくれた。実際に箱から出して説明してくれるけど、判断できない。ノイズの少ないのがいいけど、それは使うものによって違うそうだ。「ギターアンプに使う」といったら、プレートの大きいのは歪んだ過大信号に強いということで、耐久性がよかろうとそれに決定。スタンプカードもくれます、そんなに買うかな(笑)。

ロシアのソブテック製12AX7LPS。どうも現代の真空管は、ロシアやらチェコやら中国やら、(旧)共産圏製が主流らしい。

Studio22の背面から中を見ると、アルミカバーの内側に並ぶ真空管は、手前の背の高い2本がパワー管EL84、奥がプリ管12AX7。ユーザーズ・マニュアルによればプリ管は向かって右からV1,V2...V5で、めったやたらと交換せず、ノイズ対策はまずV1から、とあるのでその通りに。手を入れるとソケットを直視できないので、装着にはちょっと苦労。
これで確かにノイズは格段に低減。しかし、今度はトーン・コントロールやリヴァーブの効きが甘く感じられたので、V2〜V4も交換した。消耗品なら、いずれは交換するのだから。
察しのよい方ならお気づきだろうが、何を勘違いしたか4本しか買ってこなかったので、 V5の交換は後日に(苦笑)。
どうせいつかは交換するんだから、V5の交換ついでにパワー管も交換。

Electoro Harmonix製EL84EHをチョイス。交換後は少し音がクリアになった感じ。

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